TPPで日本は台湾化する?

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主にTPP反対派のブログが、多く HotEntry にあがってきています。これらの意見にはブックマークコメントに書いたとおり否定的な私ですが、他方TPP賛成派も「乗り遅れるな」とか「平成の開国」とか抽象的な意見が多くて、地に足の付かない空中戦の様相を呈しています。


私の賛同できるまともな意見は、


輸入自由化は消費者にとって消費に必要な支出の減少をもたらすとともに、価格低下による消費量の増加によってさらに追加的な利益を得ることを可能とする。これは、生産者(農家)の被る損失を大きく上回ることとなり、このために輸入自由化はその国に大きな経済的利益をもたらすことになるのである。
の通りなのですが、なかなか「輸入自由化はその国に大きな経済的利益をもたらす」といわれても、その具体的イメージが湧かないというのも正直なところと思います。


一般に、先進国は付加価値の高い工業や商業が強く*1、農作物は輸入をするのが有利というのが普通です。そこで、アジアで日本より(一人あたり購買力平価ベース)GDPが高い国/地域を、自由化後の日本に近いイメージの国、ということで以下に挙げてみます。

購買力平価ベースGDP(US$)名目GDP(US$)
シンガポール56,52243,117
ブルネイ48,89231,239
香港45,73631,591
台湾35,22718,458
日本33,80542,820

見るとわかるのは、日本以外は、購買力平価ベースのGDPのほうが、名目GDPより大きいということです。これは、国内の物価が安いと言うことです。これらの国に実際に行くと、物価、特に食料品は日本よりもかなり安いことがわかるでしょう。そして、これらの国/地域は共通して日本より食糧自給率が低いです。

ということで、これらの国に旅行や仕事で行ったことのある方は、物価水準や生活水準的に「こういう感じの暮らしになるのかな」くらいのイメージが持てるのではないかと思います。シンガポールや香港は都市国家だし、ブルネイはマイナーかつ、産油国で特殊なので、台湾が一番イメージに近いかもしれませんね!


*1:米国やオーストラリアのような広大な国土を持ち、大規模な機械化営農をしている例外は除く。