切込隊長の人がこれっぽっちもFITを理解していない件

太陽光発電買取がkW42円とな? ドイツじゃ14円なのに(追記あり): やまもといちろうBLOG(ブログ)

確かに 42円/kWh は高いので総論的には賛成出来る点もあるけど、各論が適当すぎ。
そもそも、少しでもまともに考えたことがある人が、kW と kWh を間違えるなんてことはあり得ないのですが。

  • 長期固定なのは当たり前。いくら技術が進歩しても、既に設置した太陽電池の性能は上がりません。
  • 現在のドイツをはじめとする、多くの欧州諸国も長期固定。
  • 長期固定のメリットはファイナンス。収益予測のぶれが少ない方が、低い資本コストで成立する。3年後以降の価格はわからないとリスクが増えて性質が株式に近づき、20年固定とすると債券に近づくので、後者のほうが低いIRRでの事業成立が見込める(=国民負担が減る)。FITの基本中の基本。*1
  • 設置時の買取価格で20年固定だけど、その価格は半年ごとに見直すので、その点は妥当。煽るためにわざと書いてないか、知らないかのどちらか。
  • 中国製のパネルが、と書いてあるけど、2010年現在はパネルは大幅な輸出超過(国内向け生産866MW、輸入125MW、輸出1,445MW)*2。国内メーカーはそれほど弱小ではないよ。*3


変に煽られて、頭悪い系なパブコメ嫌韓、嫌中系のアレ)が殺到しそうですね。戦略的にも、kWh あたり42円という価格に論点を絞った方が効果的と思います。



*1:もちろん、予め決まっていることがポイントなので、何年ごとに何パーセント下がる、と予め確定しているのなら大丈夫ですけどね。

*2:http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2011fy/E001389.pdf の p5 参照

*3:アメリカで中国メーカーは反ダンピング認定されているが、日本メーカーはされていない。日本メーカーに競争力があることの証明です。http://jp.wsj.com/US/Economy/node_444675