システム開発に「三現主義」を


基本理念<人間尊重>と三現主義を軸としたデジタルプロセスの取り組み

ホンダエンジニアリング株式会社
執行役員
河田 正樹 様

日本の製造業が強いなぁと思うのが、経営層(執行役員)の方がきちんと「現場」の重要性を認識していることです。
「三現主義」というのは、「現場」「現物」「現実」を大切にするということです。
製造業で「現場」といえば、それは製造現場、すなわち「工場」を指します。

これを、ITシステム開発の言葉にすると、

  • 「現場」=「プログラミングフェーズ」
  • 「現物」=「プログラム」
  • 「現実」=「(実際に動作する)システム」

ですね。

私たち自動車のユーザは、動く「自動車」を購入するのであって、「図面」を購入するわけではないですよね。
同様に、システムを使う人(ユーザ)は、「要件定義書」を使うわけでも「システム設計書」を使う訳でもなくて、「システム」を使うのです。

実際、要件定義書では必要な要件が網羅されているにも関わらず、機能要件から漏れる部分、特にユーザビリティが悪くて、使われないシステムと化してしまうことは現実に多々あります。

なぜ、SIerの経営層は、「上流工程志向」ばかりで、製造業の「製造工程」に該当するプログラミングを重視する方向性を打ち出すところがないのでしょうか?
こういう点では、先進的な製造業に習うべきだと思います。