IT業界がトヨタから学ぶべき4つのこと


これから必要なのは、トヨタに依存するのではなく、トヨタに学ぶことだ。

激しく同意なので、及ばずながら私のよく知っているIT業界について、トヨタから学ぶべきことを挙げてみます。


1.ISO9001・Waterfall型開発から「(守)破離」せよ。

トヨタ自動車と ISO9001 は長年にわたり戦いを続けてきました。今でもトヨタ自動車はISO9001を取得していません。
IT業界も一緒のはずです。すべてISO9001的な Waterfall 型の開発で全てが回る時代ではないと思います。末端のプロジェクトではゲリラ的にアジャイルプログラミングファースト、XPなどの手法が取り入れられているところも多いと思いますが、それでは不足で「会社の方針として」取り組むことが大事です。


2.現場・現物・現実を重視せよ。

いわゆる「三現主義」です。
ISO9001を嫌うのもこれが理由でしょう。あれは「建前」に過ぎず、現場には合致しないということです。
IT業界には、ソースコードが書けない・読めない社員。下請け丸投げ体質で、ペーパーワークがお仕事な会社っていっぱいありますね。コードを軽視するIT企業が多すぎると思います。


3.プログラマを直接雇用せよ。

トヨタは、期間工・正社員を含めて、生産ラインでの労働者を直接雇用しています。
現場・コードを重視するなら、直接雇用するのは当たり前ですよね。↓で書く受発注のムダもなくなります。


4.調達に関わるムダから現場を開放せよ。

とはいえ全てを内部リソースで賄うことはできませんので、サプライヤへの発注は発生します。
トヨタのかんばん・JIT(Just in Time)生産の特徴は、その際のペーパーワークがないことです。
かんばんが発注伝票の役割も担い、さらに納品時の受入検査は省略されます。調達に関わるムダが極限までそぎ落とされているのです。
IT業界では、むしろ「毎回RFPを書いてコンペして発注すべきだ」とか「受入検査はきちんとやれ」みたいな建前論が幅をきかせているところがありますよね。建前にこだわること自体が「ムダ」だと思います。