猫の似非法学をボコボコにする 第2夜

コメントに応答するよー。



私法とか民事とかは、原則的に対等な私人間の話だにゃ。
有斐閣の法律用語辞典を参照して書いてあるから、ここはガチ。

そのときの「対等」という語はかなり広義です。そうでないと前のエントリに書いたとおり、民法にも(狭義の)対等でないケースの条文はたくさんあるからね。

ってゆーか、労働法が私法でない、つまり公法だと仮定すると、


(行政事件訴訟)
第二条  この法律において「行政事件訴訟」とは、抗告訴訟、当事者訴訟、民衆訴訟及び機関訴訟をいう。
(当事者訴訟)
第四条  この法律において「当事者訴訟」とは、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの及び公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟をいう

とあるので(下線は私による)、私企業と労働者の間の労働裁判まですべて行政事件訴訟ということになってしまうぜ。もちろんそんなことはないので、背理法によりチミは間違っている!(どぎゃーん!)*1



>学納金返還訴訟とか知らんのかね
このケースでは入学を辞退しているわけだから、その大学の学生ではにゃーだろ?

「学納金返還訴訟」にwikipediaのリンクをつけてて、そこに「学納金返還訴訟」最高裁判例があるわけだが。



ア在学契約の性質
大学(短期大学を含む。以下同じ。)は,学術の中心として,広く知識を授けるとともに,深く専門の学芸を教授研究し,知的,道徳的及び応用的能力を展開させること等を目的とする(学校教育法52条,69条の2第1項)ものであり,大学を設置運営する学校法人等(以下においては,大学を設置運営する学校法人等も「大学」ということがある。)と当該大学の学生(以下においては,在学契約又はその予約を締結したがいまだ入学していない入学試験合格者を含めて「学生」ということがある。)との間に締結される在学契約は,大学が学生に対して,講義,実習及び実験等の教育活動を実施するという方法で,上記の目的にかなった教育役務を提供するとともに,これに必要な教育施設等を利用させる義務を負い,他方,学生が大学に対して,これらに対する対価を支払う義務を負うことを中核的な要素とするものである。また,上記の教育役務の提供等は,各大学の教育理念や教育方針の下に,その人的物的教育設備を用いて,学生との信頼関係を基礎として継続的,集団的に行なわれるものであって,在学契約は,学生が,部分社会を形成する組織体である大学の構成員としての学生の身分,地位を取得,保持し,大学の包括的な指導,規律に服するという要素も有している。このように,在学契約は,複合的な要素を有するものである上,上記大学の目的や大学の公共性(教育基本法6条1項)等から,教育法規や教育の理念によって規律されることが予定されており,取引法の原理にはなじまない側面も少なからず有している。以上の点にかんがみると,在学契約は,有償双務契約としての性質を有する私法上の無名契約と解するのが相当である。

在学契約は私法上の契約だと明言されている。(だから消費者保護法が適用される)
この裁判の例では入学前に辞退してるけど、入学すれば在学契約は卒業(または退学)するまで続くよね。



生活保護法の規定の考え方がこのケースにそのまま適用できることを論証してくれよ。

条文に「すべて」と書いてあるから! なんてトンデモ法理*2を先に主張したのは猫のほうでしょ? 私は反例を提示しただけ。

まあ、論証するまでもなく、もしそんな理屈が裁判所で通るのなら、とっくにリベラル派弁護士が授業料未払いの学生を支援して裁判起こして、条例の(授業料未納者に対する)除籍や出席停止の規定はなくなってるはずだけどな。



傍証として、懲戒退学処分に触れたんだけど。
そもそも、授業料未納で「私立高校」で除籍処分が行われるのは当然にゃんね。

意味不明。学校教育法施行規則は公立私立関係なく適用される。

ところで、さっきまで「バカ親からガキを守る。それが児童の権利条約や教育基本法の理念。」って主張していたんじゃなかったの? いつから私立高校生は例外になったの?



*1:と、言いたいところだが、100%トンデモというわけでもないか。主流説ではないけどな。

*2:まあ、日本語としては「すべて」は「100%例外なく」の意味というのは正しいかもな。だがそれは「遊びに行く途中の交通事故なのに”業務上”過失致死なんてオカシイ!」という主張と同等に法律的にはトンデモ。