太陽電池は今でも高コストか?


太陽光 (稼働 12%) 42.0円
風力 (稼働 20%) 10.0〜14.0円
地熱 (高温岩体発電) 9.0円
波力 20.0〜30.0円
潮力 ??円
これを見ると、太陽光発電は分が悪いようです。これは専ら電池の価格によりますから、需要が増大して大量生産効果で価格が現在の五分の一近くまで下がらないと本格的な普及は難しいでしょう。

上記の引用元の情報は、2005年のコスト試算(しかも一般家庭用)をもとにしたものです。
実際は、太陽電池はここ5年で急速に値下がりしています。現在は2005年の五分の一以下になっています。



太陽電池業界のリーディングカンパニーである First Solar, Inc. (Nasdaq: FSLR) は、2010年第3クオーターの実績で、0.77 US$/W を実現しているとのことです(Wikipediaより)。
それでは、引用元Blogと同じ条件(15年、割引率3%、発電効率12%、メンテナンスコスト無視)で、さらに引用元Blogには『専ら電池の価格による』と書いてあるので、電池の価格だけで太陽光発電のコストを試算してみます。


0.77 US$/W 
(1US$=82円)
63.1 円/W 

また、(ピークワット)1W を年間発電量に換算します。


1 W 
(年間発電量に換算:365(日)×24(時間)×発電効率12%)
1051 Wh/年 
(単位をkWhに)
1.05 kWh/年 

これ(初期コスト 63.1円 で、1年あたり1.05kWh生産)をもとに、年間3%の割引率で、15年間のキャッシュフローの純現在価値(NPV)がゼロとなるような電力単価をスプレッドシートで求めると、4.89円/kWh となります。すごく安いですね!

もちろん、実際は、「電池以外の初期コスト」「メンテナンスコスト」等を考慮する必要があります。しかし、十分に競争力のある段階に入ってきたことは、これだけでも十分わかるのではないでしょうか?


また、First Solar の太陽電池は、高温岩体発電のような構想段階のものではありません。既にアメリカ国内で売電している太陽光発電施設の40%以上が First Solar の製品を使っているとのことです(Wikipediaより)。また、中国内モンゴル自治区に2GW規模の太陽光発電所を建設するとの報道もあります。これは、福島第一原子力発電所1号機の4.6倍、2〜4号機の2.6倍のピーク能力になります。引用元Blogの「大容量の電力が必要な工業用途には役に立ちません。」という認識も既に過去のものとなりつつあるのが現状です。