事業用太陽光発電は今年「来る」か?


2011年4月から適用される新しい買い取り価格は、定格出力が10kW未満の住宅用が42円/kWh(これまでは48円/kWh)、10kW以上の非住宅用が40円/kWh(同24円/kWh)である。

こういうニュースがありましたが、この非住宅用の40円/kWhという価格は、かなり破格のものです。

比較のため

の情報をもとに、太陽光先進国のドイツの FIT 買い取り価格の推移を表にすると

セント€/kWh
200554.53
200651.80
200749.21
200846.75
200943.01
2010.736.12
2011.130.34
2011.725
2012.122
となります。4月からの水準はドイツよりずっと高いものとなっています。
ドイツの現在(2011.1月〜6月)の条件で、内部収益率(IRR)が5〜7%ということなので、日本でも十分投資採算が取れる水準になるものと思います*1


単体で考えても投資採算が取れそうな上、

  • 東日本では、これから夏場にかけ計画停電が予想されているので、自家電力を持つインセンティブも以前より働く
  • このご時勢、エコに注力しているというのは『企業イメージ』の向上に繋がる。

という要因もあり、今年度以降事業者向けに爆発的に普及する可能性が高いと思われます。


太陽電池のコストダウンは累積生産量に相関する(累積生産量が2倍になるとコストが2割低下するといわれます)と言われますので、爆発的な普及はコストダウンを促します。コストダウン→需要拡大→生産拡大→コストダウン という正のフィードバックが回るようになれば、再生可能エネルギー社会の到来は近づきそうですね。


*1:全量買取と余剰買取の違いがあるので単純比較はできないのですが